NPOの声
「教育の再定義」を掲げ、一人ひとりの内側から「自ずと生み出される(生成)」学びを大切にするNPO法人青春基地。その自由で創造的な活動を、「バックオフィス」からどう支えてきたのか。
代表理事・佐野真知子さんに、ジービーパートナーズ(GB)とのこれまでの歩みと「数字だけではない」パートナーシップについてお話をうかがいました。
1. 身体性と感覚を大切にする「青春基地」の学び作り
GB:はじめに、青春基地はどのような活動をしている団体ですか?
佐野:私たちは主に公立高校の「探究型学習」をサポートしているNPOです。一人ひとりの内側から自然と湧き上がるような探究と実践を通じた学びを大切にしています。最近は、言葉だけではほぐしきれないような感覚や身体性を伴う活動、例えばコラージュ作りやアーティストとの協働などにも取り組んでいます。
GB: 「感覚」や「身体性」にフォーカスするのはなぜでしょう?
佐野:「自分は何を探究したいか」を言葉にするのは、すごく難しいことなんです。AIを使えば簡単にテーマについて調べたり、レポートを作成したりすることはできますが、与えられたテーマを探究するのではなく、自分自身が何に熱くなり、何に心が震えるかという想いや感覚から生まれてくるものが、学びの本当の動機になるのではないか、と考えています 。

2. 「紙」から学ぶ、経営のリアリズムとリズム感
GB: 佐野さんが代表理事に就任された際には、その交代に関する手続き等でGBがサポートさせていただいたと聞きました。
佐野: はい、本当にお世話になりました!代表を引き継ぐタイミングでは、定款変更から理事会の進め方まで、事務的なことがあまり分からなくて…。正直、ずっと半泣き状態だったんです(笑)
それを上野さん(GB事務局長)が一から手取り足取り教えてくださって。当時の私のパニックしていた状況を一番知っているのは、きっと上野さんだと思います 。
GB: GBとのやり取りを負担に感じることはありませんでしたか?
佐野: いえいえ!むしろ私にとっては、社内で言えない悩みや、ままならない現状をぶつけられる「壁打ち相手」のような存在です。気づけば経営相談になっていることもあります。数字の報告だけでなく、私たちの活動のバックグラウンドを汲み取ってフラットに接してくれるので、本当に心の支えになっています 。
GB: 具体的には、どのようなやり取りをされているんですか?
佐野: 2ヶ月に1回、領収書などの証憑をお渡しして整理してもらっています。年度末の3月から6月にかけては特に密に連絡を取りますね。昨年、初めて公益財団より助成金をいただいた際も、非常に細かい経理処理が必要で頭を抱えていたのですが、上野先生(笑)に相談して一緒に考えていただきました 。
GB: 目に見えない「感覚」を大事にしている佐野さんにとって、数字という「リアリティ」にギャップは感じませんか?
佐野: 最初は決算書が「1年間の通知表」のように思えて、プレッシャーをとても感じていました。今でもよく覚えている場面があって、代表となって2年目くらいのときかな。たまたま上野さんとオンラインで話す機会があり、決算や予算計画、新しくスタッフを招きたいこと等、そのとき抱えていた経営の悩みを相談したんですね。数字を一緒に眺めながら相談を進めていると、上野さんの話にイメージがついてくるようになってきて、感覚的に自分も数字を読めるようになってきた!とハッと気づいたんです。これまでの上野さんとの話を一言一句メモしたり、議事録を何度も読み返したり…そんなことの繰り返しと蓄積が今につながっているんだなと。数字というリアリティに向き合えるようになったことで、実は自分たちが望んでいる未来に繋がっていると思えるようになり、気持ちも軽くなりました。

3. 「役割」を超えて、同じ景色を見つめるパートナーとして
GB: 青春基地さんは「人を役割としてみない」という組織文化を大切にされていますよね。
佐野: そうですね。役割やスキルがあるからということではなく、「ただ、その人がそこにいていい」という姿勢を大切にしています。目標や数値で縛るよりも、今この瞬間の環境に呼応しながら、みんなで未来の景色を作っていく感覚です。
GB: その「景色」を共有できているからこそ、GBも単なる「外注先」ではなく、一緒に歩んでいくパートナーとしていられるのかもしれません。
佐野: そう思います。私たちの「やりたいこと」と、法律や数字という「守るべきこと」。そのバランスを一緒に取ってくれているGBがいるからこそ、私たちは安心して現場で子どもたちと向き合えています。これからも、この心強いサポートをお願いしたいです 。
GB: 最後に、青春基地さんのこれからについて教えてください。
佐野:今後は「生成」の教育現場での実践を深め、誰もがその空気感や環境をつくれるようなメソッド化や道具の研究に注力していきたいです。単に場を増やすだけでなく、多様なチームと協働しながらこの考え方自体を広めていきたいですね。

NPO法人青春基地(https://seishun.co/)
「想定外の未来をつくる!」をコンセプトに、アクションから学ぶプロジェクト型学習や発信活動に関する事業を行い、中高生を中心とした子ども・若者の学ぶことへの好奇心や意欲を喚起し、社会を生きていくうえで必要な汎用的スキルをそなえ、一人一人が社会や環境の変化を厭わず、主体性をもって社会に参画していけるようになることを目指す。
取材を終えて
教育という「正解のない問い」に向き合う青春基地さん。その創造的で自由な活動を支えていたのは、意外にも「数字」というリアリティと向き合うことにもあると教えていただきました。専門領域は異なりますが、お互いをよきパートナーとして尊重し合う関係性は、これからのNPO支援の理想的な在り方を感じるものでした。
ジービーパートナーズでは、社会課題の解決への取り組みを行っているNPOのバックオフィス業務を中心に主にサポートを実施しています。お問い合わせはこちら
インタビュー/執筆 ジービーパートナーズ 村山









